2008年から仕事をするようになった健康靴専門店で、久々の勉強会がありました。筋金入り整形外科靴を作っていらっしゃる方の講義。足と靴についてはもちろんのこと、健康靴の歴史についても幅広く興味深いお話が聞けました。
整形外科靴(整形靴)、健康靴。これまで何気なく使っていた言葉でしたが、それぞれに意味するところ(あるいは意味を持たされてきたところ)があったのだということも、今回はじめて知りました。
いわゆる障碍者といわれる方々が、快適に歩けるようになるための道具としての「整形外科靴」。ドイツの整形外科靴が有名ですが、そもそもは第一次大戦時、戦闘でケガをしたり足を失ったりした人が、元の生活(職業)に戻れるようにと考えられたようなものだったとか。
もちろん、元のとおりになどとても無理なくらいの状態になった人もいて、それでも少しでも快適な生活が送れるようにということで発達した技術があったのだそうです。これは国の政策であったというところも重要で、今でこそパラリンピックも定期的に開かれる世の中になりましたが、当時の社会通念ではかなり画期的なことだったと思われます。
整形外科靴と健康靴。この境界線をくっきり引くのは難しく、ざっくり言うなら健康保険が効くのが整形外科靴、効かないのが健康靴というような感覚。でも必ずしもそうでないことも。業界内にはこういったそれぞれの「領域」事情がいろいろあるようですが、使うほうとしては便利にこしたことはありません。
なんとなくいつもある腰痛をなくしたくて整体にいっても保険でカバーはされません。腰痛とおおいに関係のある外反母趾ケアとしての靴選びにも、保険は効きません。ですが、外反母趾対策のインソールを作るのに保険が使えることもあります(が、使えないこともあります)。
身体がらくになるための道具としての靴。どんな靴を履いていても身体に影響の出ない人は、そんなにいないかと思います。ほんとはあまり合っていない靴を履いていても、靴のほうが壊れてしまう人もいれば、靴に足を壊されてしまうことも。
私自身が後者(足が壊れるほうの人)だったので現在この道に来ているわけで、やっぱり少しでも同じような大変な思いをしている人の助けになりたいなあと、基本の基本を確認した一日でした。
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